イギリスのEU離脱(ブレグジット)関連法が成立、日本への影響は?為替への影響は?

2020年1月末を以てイギリスがEUから離脱。ヨーロッパのマーケットの中枢としてのイギリスの立場は弱くなり、各企業の拠点が他国へ移転することなどが懸念されています。為替については織り込み済みのため、当分は横ばい傾向とみられています。

こんにちは、Mayです。

イギリスのEUからの離脱が目前に迫りました。2018年にEU離脱法が成立して以来、どうなることかと動向が気になっていましたが、上下両院を通過したEU離脱関連法案が、2020年1月23日にエリザベス女王の承認を得て法律として成立しました。

今月29日にはEU側でも離脱協定が承認されることになっています。その後、現地時間31日午後11時を以てイギリスはEUから離脱します。

EU離脱(ブレクジット)のタイミングでこれまでの欧州共同体法が失効するため、イギリスでは離脱以降に制定されるEU法は適用されなくなります。ちなみに離脱までに制定されたEU法は、自動的にイギリス国内法となるそうです。

現在欧州司法裁判所に委ねられているEU法の解釈権は、今後はイギリス国内の裁判所に委ねられることになります。

イギリスがEUを離脱する理由とは?

それはイギリスにとって利点が少ないと考えられているからです。
そもそも、EU(ヨーロッパ連合)は加盟国間での戦争を回避し、協力しあうために設立されました。

・イギリスなどの豊かな国は貧困国に対して補助金などによる支援を行わなければならない
・EU加盟国からの移民の受け入れを拒否できない(難民として受け入れた場合、支援するために税金が使用されるため、国の財政が圧迫され、国民の税負担が増加する。)
・EU規定を遵守しなければならず、自国だけで物事を決定することができない

ではデメリットはどうなのでしょうか。EUから離脱してしまうと、今までヨーロッパの中心とされてきた地位がなくなり、ロンドンに拠点をおいていた企業は他国へ移転するでしょう。そうなると、失業者が一気に増加します。

特に各国の金融機関の拠点が他国へ移転してしまうことにより、イギリスの世界的な影響力が低下するでしょう。

イギリスのEU離脱(ブレクジット)で日本に影響はあるの?

日本企業においても、ヨーロッパ市場を視野に入れてイギリスに拠点を置いている企業は少なくありません。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、「1000社近い日系企業が欧州の統括拠点を含めて拠点を構えており、EUにおける日本企業の重要な投資先となっている」とのことです。

イギリスのEU離脱(ブレクジット)によって、これまで自由に交易できていたEU加盟国との間に関税がかかってくるなどの影響も懸念されます。


為替はどうなるのか?

イギリスの通貨といえば、スターリング・ポンド。補助単位はペンスです。為替ではGBP(Great Britain pound)というISOで定義された通貨コードが使用されています。

過去のポンド/円の推移をみると、2009年に世界金融危機の影響で大暴落。その後、2012年のロンドンオリンピックで上昇。

2015年には一時200円近くまで到達するも、2016年にEU離脱を問う国民投票により離脱が確定し、再び130円前後に暴落。その後150円台まで持ち直したものの、2010年1月現在は140円台を推移しています。

2016年にEU離脱(ブレクジット)が国民投票で賛成という結果になった際は、予想外の展開で株価が下がりましたが、今回は金融市場でも織り込み済みのため、それによる影響はあまりないと見られているようです。

旅行客への影響は?

ちょうどミレニアムで世界が浮足立っていた頃に1年間イギリスに留学していたことがありますが、その頃のレートは160~190円台でした。留学前に滞在費をポンド建てのトラベラーズチェックに変えて持って行っていたので、当時の買い価格は200円程度だった記憶があります。

その後、2008年頃には220円を超すことがあったようですが、前述の通り現在は140円台となっています。

金融市場は前述の通り織り込み済みなので、当分は現在の円高状態が続くと見られています。従って、EU離脱(ブレクジット)による影響はあまりないと言えるでしょう。

一方で、拠点をおいていた各企業が撤退するとなると、失業者が増加し、治安が悪くなる可能性があります。

留学したての頃、ロンドンの中心街SOHOの小さな店舗が爆破テロのターゲットになり、その近隣に黄色いテープが張られて立ち入り禁止地区になっていたことを思い出します。その件については、マイノリティが対象とされたと聞きました。

ロンドンオリンピックの後に訪れた時は、留学時よりは街がきれいになった感じがしましたが、それでもやはりメインストリートから一歩入れば道も暗くなるので、できるだけ明るい道を選び、可能な限りで単独行動をとらないようにすることをおすすめします。

特にイギリスの冬の日照時間は短く、留学時に真っ暗な中を登校し、真っ暗な中を下校したのも、今となっては良い思い出です。

イギリスのEU離脱(ブレグジット)関連法が成立、日本への影響は?為替への影響は?そんなイギリスが、今後どのようになっていくのか、期待と不安を以て見ていきたいと思います。

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